住生活空間の省エネルギー化による居住者の健康状況の変化等に関する調査説明書
※様式については、「モデル事業者・対象工務店用 専用ページ」をご覧ください。
■調査概要
1) 目的
本調査は、国土交通省スマートウェルネス住宅(SWH)等推進モデル事業で改修補助を受ける世帯等の改修前後の住環境・健康データの収集を行うもので、国土交通省補助事業として一般社団法人日本サステナブル建築協会に設置された「スマートウェルネス住宅等推進調査委員会」が全国の学識者・モデル事業者等と連携・協力して調査を実施いたします。
2) 調査項目
主に
- 工務店等「専門家用アンケート」
- 世帯主等「世帯主用アンケート」
- 同居者等「同居者用アンケート」
- 世帯主・同居者用「測定日誌」
- 世帯主・同居者宅の「温湿度」の測定
- 世帯主・同居者の「家庭血圧」の測定
- 世帯主・同居者の「活動量」の測定
- その他(任意) を行います。
同一対象者の改修前後のデータを集めたいと考えております。ご協力のほどよろしくお願いします。
調査対象 | 調査方法 | 調査項目 | 所要時間 | 期間等 | ||
---|---|---|---|---|---|---|
工務店等 専門家 | アンケート 調査 | 顧客住宅 (1軒毎) | 築年数、建築面積、断熱性能等 | 約15分 | 1回 | 改修前後 |
内装の木材の使用状況 | ||||||
仕上げ材の種類(無垢材の使用の有無) | ||||||
エネルギー消費量(1年間分) | 約5分 | 1回 |
顧客 (世帯主・ 同居者) | アンケート 調査 | 住宅環境 | 住宅環境に関する質問 | 約30分 | 1回 | 改修前後 |
健康状態 | 症状の有無、疾病の有無 | |||||
生活習慣 | 生活習慣、運動習慣、食生活に関する質問 | |||||
測定日誌 | 行動 | 1日の起床時間、在宅時間など | 約3分 | 2週間 | ||
機器による 測定 | 温湿度 | 測定機器による温湿度調査 | 設置のみ | |||
血圧 | 血圧計による起床時/就寝前の血圧測定 | 各1分/回 | ||||
活動量 | 活動量計による一日の活動量の測定 | 装着のみ |
【測定機器一覧】
温湿度計 | ![]() | 血圧計 | ![]() |
---|---|---|---|
⇒棚や机の上等にセンサーが触れないように設置 | ⇒起床時/就寝前の1日2回居間で座った状態で測定 | ||
活動量計 | ![]() | ||
⇒ズボン・スカートやベルトに装着 |
3) 協力内容
工務店等専門家、顧客(世帯主・同居者)それぞれにご協力いただきたい内容は以下のようになっております。
工務店等専門家の協力内容
- 対象者の名簿提出、調査スケジュールの調整・連絡
- 本調査の目的・測定機器に関する顧客への説明実施
- ①測定機器到着より5日以内に調査を開始していない場合、②返送指定日にアンケートおよび測定機器を提出していない顧客への催促 ※担当される顧客が①・②に該当する場合は、調査事務局(一般社団法人日本サステナブル建築協会:JSBC)が関係者を通じてご連絡いたします。
- 工務店等「専門家用アンケート」のWeb回答
- CASBEE戸建超簡易版による建築性能評価(2015年度以降実施)
顧客(世帯主・同居者)の協力内容
- 測定機器に関する顧客向け説明会への参加
※ご都合がつかない場合には、調査概要説明書、調査方法説明用動画でのご確認
※調査方法説明用動画は、本調査事業のホームページ(2014年11月中旬開設予定)に掲載予定。
- 同意書、謝礼振込銀行指定通知書、アンケート、測定日誌および測定機器の受け取り(ゆうパック)
- 同意書、謝礼振込銀行指定通知書を調査事務局(一般社団法人日本サステナブル建築協会:JSBC)に提出[必須]、特定健診等受診結果(写し)の送付[任意](郵送費不要)
※特定健診対象外の場合は、定期健診でよい。
※特定健診等を未受診の場合、受診されてから後日、予備の封筒で特定健診等受診結果(写し)を送付(提出期限:2018年2月28日(水)当日消印有効)
- アンケートの回答、機器による測定の実施、測定日誌への記入
- アンケート、測定日誌および測定機器を送られてきた段ボール箱に梱包し、指定の伝票を用いて調査事業局(一般社団法人日本サステナブル建築協会:JSBC)へ郵送(郵送費不要)
謝礼に関して(案)
謝礼を以下のようにお支払いする予定です。謝礼をお支払いする際、事前に顧客である世帯主、同居者の方に調査協力に関する同意書へのご署名をいただきます。同意書には住所等の記載事項はありません。測定調査にご協力いただく方、任意の同居者用アンケートにご回答いただく方の、お名前のみ署名となります。
謝礼の対象 | 謝礼 |
---|---|
モデル事業者 | 1軒につき2,160円(税込み) 事務手数料として扱い、構成組織(工務店等)に振り分ける等自由 |
顧客(世帯主) | 改修前調査において
|
謝礼の支払い方法は次のように考えております。なお、振込期日は6月頃を予定しております。
- ・調査事務局(一般社団法人日本サステナブル建築協会:JSBC)より各モデル事業者に対して謝礼をお支払い。
- ・調査事務局(一般社団法人日本サステナブル建築協会:JSBC)より各顧客に対して, 指定の振込口座に謝礼をお支払い(源泉徴収後額)
4) 得られたデータに関して
- 個人情報の管理に関して
本調査で得られた個人情報や測定データは研究目的以外に使用することは一切ありません。またアンケートや機器の配布の時点で各世帯にIDを付し、データから個人が特定できないように徹底いたします。 - ID化について
調査事務局(一般社団法人日本サステナブル建築協会:JSBC)側では個人が特定できないように各世帯にIDを割り振り、そのIDを基に調査を進めます。調査事務局(一般社団法人日本サステナブル建築協会:JSBC)は、一世帯ずつアンケートや測定機器を箱詰めし、その箱にIDを付した状態で、各世帯宛に送付させていただきます。 - 分析結果の公開について
本調査結果は、統計的な処理を行った上で、国土交通省への報告書、日本建築学会や空気調和・衛生工学会、日本公衆衛生学会等において学会発表や学術論文投稿を行い、積極的に社会に発信してまいります。
5) お願い事項
本調査において、工務店等専門家が顧客の改修事例を報告する際には、以下の点を徹底してください。
- 個人情報保護の観点から、工務店等専門家が自社の広報誌や住宅雑誌などに顧客の改修事例報告を掲載する際は、個人名とともに血圧、活動量、症状などの個人情報を記載しない。
- 「住宅改修が健康に効果あり」といった誇大広告と受け止められる、行き過ぎた記載を行わない。
■ご不明な点があった場合の連絡先
- 一般社団法人日本サステナブル建築協会(JSBC)
- 健康調査担当(栗原、吉田、青木)
- 電話:03-3222-6391(平日10-12時、13-17時)
- メール:swhsurveyATjsbc.or.jp
研究の枠組み
■1.制約条件
本研究事業は、国土交通省のスマートウェルネス住宅(SWH)等推進モデル事業で改修補助を受ける世帯に調査を依頼し、改修前後の住環境・健康データを収集するものである。比較対照として、改修を実施しない世帯の縦断データの収集も一部認められているが、改修補助を実施する世帯を指定することはできない等、不可避の制約が存在する。これらの制約について下記にまとめる。
- 制約①:SWH等推進モデル事業で補助を受ける世帯の改修前後の比較を実施すること
- 制約②:改修の割付は不可能
- 制約③:原則、3年間の比較的短期で評価可能であること
- 制約④:サンプリングのポピュレーションは定義できない
■2.調査デザイン
前述の制約条件を踏まえた上で、研究フローを検討した。その概要を図1に示す。ここでは、主に「断熱水準による健康影響(血圧・活動量等)」について検証するためのデザインとなっており、短期的・長期的観点から2つの検証パターンを用意している。その概要を下記に示す。
パターンⅠ:α検証(改修前後スタディ)
1~2年以内に改修予定の1,900世帯(H26年度は、750世帯程度)の改修前後データを収集し、住宅の省エネルギー対策基準であるA基準に改修した世帯と、その上位基準である、S基準に改修した世帯の推移の違いについて検証を行う。
パターンⅡ:β検証(コホートスタディ)
これはα検証後のスタディとなるが、改修を終えた住宅と比較対照らのデータについて継続的に収集することで、断熱水準による健康影響について検証するコホート調査である。β検証では補足的に非改修物件についても、3年間で約100軒(H26年度は50軒程度)無作為抽出・調査することを予定している。以上によって、様々な観点から検証を進める。
図1 本研究のデザインと実施フロー
H26年度の調査スケジュールについて
- 改修前・改修後調査
⇒ 今年度は改修前調査のみ(改修後調査は次年度以降)
※ 健康への影響について考慮するため、一年ほど経過する必要がある
図2 基本調査スケジュール - 改修前・改修後調査
⇒ 11月過ぎから順次 〜 3月第二週までの何れかの2週間
→ 温湿度計の設置、朝晩の血圧測定、活動量計装着、日誌記録